「自分たちがつくる野菜で美味しい加工品を作りたい!」
そんな願いから、有機農家さんが集まり、試作が始まったのは2017年秋。
1年の月日を経て、ドレッシングと福神漬けが完成の時を迎えています。
今回はこだわりの加工品ができるまでを聞いてみました。
Interviewer: Satoko Hatta
Q1.
有機農家さん自身が加工を始めた理由は?
酒井さん
人参をはじめとする農産物は、出来がよくても出荷しきれなかったり、多少キズのあるものがどうしても出てしまいます。捨てるには忍びないそれらを活用できないか、ということから加工品づくりがはじまりました。また、地元ときがわ町の特産品を作って、町をアピールしたいという思いもありました。
Q2
ドレッシングづくりに取り組んだ酒井さんにお聞きします。
人参ドレッシングを選んだ理由は?
酒井さん
有機農法で作る人参は甘くて、ほんとうに美味しいんです。それに、地元の福みかんの味と風味を合わせて、ときがわ町ならではの商品を作りたいと思いました。
Q3.
視察先で得られたことは?
酒井さん
農産加工の第一人者である長野県飯田市の「小池手造り農産加工所」と、伊那市でリンゴの無農薬栽培を行っている「白鳥農園」にお邪魔し、とても貴重な勉強をさせていただきました。とくに「白鳥農園」では、「本物を、とがった商品を作ってください」と励ましていただきました。また有機農家は消費者に対し、単に野菜や米を提供するだけでなく、的確な情報も発信していく使命があるということを、あらためて教えていただきました。
Q4.
ドレッシングの開発に協力してくださっている会社はどんな会社?
酒井さん
埼玉県内の小さな加工メーカーさんですが、とても研究熱心で頼りになる会社です。1年間、担当者と二人三脚で歩んできました。「余分なものは一切入れたくない」という私たちの思いから、中身は「人参、油、酢、塩」のみと定め、何度もやり取りを重ねて試作を繰り返しました。製造には、毎回、加工部のメンバーも参加させていただき、納得のいく製品作りを目指しています。私たちの自信作、ぜひたくさんの方々に味わっていただきたいと思います。
Q5.
福神漬けづくりに取り組んだ吉田さんにお聞きします。
福神漬けが加工商品として選ばれた理由は?
吉田さん
子どもが好んでカレーを食べるので、そこに何となく福神漬けをつけることがありました。でもスーパーに置いてあるものはどれも真っ赤やオレンジ色で、なぜこんな色?という疑問があり、商品開発というお話をいただいたときに、ぜひ作ってみたい!と思ったのがきっかけです。
Q6.
福神漬けはどのように製造しているのですか?
吉田さん
材料となる野菜はすべてときがわ町の有機農家さんのものを、調味料もすべて無添加のものを使用しています。そこに山椒を加えることでときがわらしさを出しました。まず、大根やきゅうり、なすなどを一ヶ月ほど塩漬けにします。お野菜の出荷時期がそれぞれに異なるため塩漬けにして保存すること、またそうすることで野菜の発酵を抑える効果があるからです。すべての材料が揃ったら本漬けの作業に取り掛かります。塩抜きした野菜を細かく切って調味液に漬け込みます。現在は町内の漬物加工の許可が下りている施設で製造しています。
Q7.
テスト販売をしてみて、お客さんの反応は?
吉田さん
こういうものを求めていた、という手ごたえがありました。
一方で私もそうでしたが福神漬け=カレーの付け合わせというイメージが強く、もっと味が濃くて甘いほうが、という意見もいただきました。どう調味していくかが今後の課題です。
Q8.
今後の販売計画は?どんな人に届けたい?
吉田さん
有機農家が頑張っているときがわ町だからこそ生まれた一品だと思っています。
安心して子どもたちに提供できるものをと思い作り始めたので、私のような子育て真っ最中の世代にはぜひお届けしたいですね。身近なところから少しずつ輪を広げ、ときがわ町を知っていただくきっかけになればいいなと思います。
視察に参加した加工品チームメンバーと 小池手作り農産加工所の皆さん |
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インタビューを終えて
地元の素材をふんだんに使い安全に配慮した調味料で仕上げているドレッシングと漬物。
試行錯誤はまだまだ続きますが、これまでの経験を活かし
今後、新たな製品にも挑戦していくそうです。
有機農家の加工品シリーズが近い未来、ときがわに誕生しそうです!
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